ある日の自習の時間、ざわめくクラス。


休み時間のような騒がしさ。


あたしの耳に入ってくる嫌な会話。


聞きたくもない罵詈雑言。


一体何のためにそんな事をいうのか。


自習をしているのなんてほんの数人。


席を立って思い思いに行動する人たち。


誰かが居なくなっても気づかれないだろう。


こんな会話の中に埋もれていたくない。


逃げるようにあたしは本をもって教室を出た。


扉を一枚隔てると静かなろうかに出る。


どこの教室も授業をしている。


授業中は気が楽。


誰の会話もあたしの耳に入ってこないから。


ただ話を聞いてノートをとっていればいい。



静かな穏やかな時間。



そんな空間に行きたい。


長い階段をひたすら登る。


そしてあたしは重い屋上の扉を開いた。