黒田side


今日、俺は一番愛していた人に会いに来た。

その子は俺の教え子だった。

俺には妻も子供もいたのに、

彼女の事を本気で好きになっていた。


『くろくん!』


そう言って、駆けてくる彼女が愛おしかった。

なのに、俺は彼女を突き放した。


『貴方が、この学校から立ち去り、
この街から出ていけば、彼女と付き合っ
ていた事を公開しません。

そして、彼女もこの学校に残してあげま
しょう。』


そう、校長から言われたとき、

そうするしかないと思った。


だから、


『一回体の関係があったからって、勘違いしないでよ。』

『僕には、妻と子供が一番だよ。』

『君も遊びのつもりだったんでしょ?』


そんな心にもないことを言って、俺は学校を立ち去った。

言ったあと、俺は彼女を傷つけたことに涙した。


そして、前の妻とは離婚して、

今回は謝ろうと思ってきた。

そして、今度はきちんと付き合おうと思った。

しかし、彼女の隣には

見知らぬ男がいた。


そして、直感した。

二人は想い合っているのだと。




「あ〜あ。今日は迎えに来たんだけどな。」

言葉とともに、涙もこぼれ落ちた。