雷夢side


咲さんから電話がかかってきた。

叶の手術が成功してから3日がたってた。

叶が起きたらしい。

そして、あとひとつ。



『お前の父親と二人できてほしいらしい。』


それの理由を聞いても、咲さんもわからないらしい。


しぶしぶ、親父のところに向かう。


コンコンッ

「入れ。」

ガチャッ


「親父、叶が会いたいらしい。」


彼女がコイツのことを知っているなら

親父だって、彼女を知ってるはず

だから、あえて名前で言ってみた。


すると、

「叶ちゃんがか!」

とても、

驚いたような

嬉しいような

辛いような

そんな声だった。


驚いたのは俺だった。

こんな親父を初めて見た。

だから、俺は黙って病院の名前を伝え

親父と二人、叶の待つ病室へと向かった。