夢が叶うとき

ドアを開けると

一人の男が立っていた。

まったく、高校生の息子がいるとは思えない若々しさがある。

息子の俺から見てもかっこいいと思う。

だけど
こいつだけは許せないんだ。




「珍しいじゃないか。
お前が俺のところに来るなんて。」


「……。頼みたいことがある。」



「なんだ。」



「金を貸してくれ。…600万円ほど。」



そう、俺は聞こえてしまった。

叶の病室を訪れたとき、

中で話す、病院の先生とあの若い警察官のはなしを。

『 「手術の準備はできています。
しかし、お金の準備ができな
ければ…。」

「わかってます。後600万ほど
なんです。 」

「早くしなければ手遅れに…」


それを聞いて、俺ができること

それは

こんなことしかないんだ。




「それは、何に使うんだ?」


「俺の大事な人の手術のために。」



「わかった。だが、条件がある。」


ーーーーーーーーー。


「………。わかった。」


愛しいあいつのためなら、そんな条件は
どうってことがなかった。





俺は父親から金を受け取り、急いで病院に向かった。