目をあけて
小さな子供のように
目をゴシゴシしている咲を見て
私は優しく微笑んだ。

「叶、大丈夫か?今回は2日も寝てたぞ。」

「2日も。」

いままでは長くても半日だった。
私の命の短さを思い知らされた気がした。

「叶?」

私の頬からは
次から次へと涙が溢れた。

「咲、咲。」

泣きながら咲を求める。
咲は泣いている幼い子供を抱きしめるように、そっと私を抱きしめた。

「咲。怖いよ。」
「咲。私、消えちゃうのかな。」

私が子供のように泣き叫んでいる間

「大丈夫。大丈夫。」

そう言って私が泣き疲れて寝てしまうまで
抱きしめた、背中をさすり続けてくれていた。
咲も涙をこぼしながら。