咲のお母さんはまだ生きていて
私のお母さんがわりでもある。
でも、お母さんは東北の方に住んでいるから、なかなか会うことができない。
だから、私は咲と二人暮らしです。

「ねぇ、咲…。」

「なんだー?」

「昨日もカレーだったんだけど。」

とても、いい匂いだけど
とても、嗅ぎなれた匂い。

「最近めんどくさくて…テヘ♥」

テヘ♥じゃねーよ。クソ兄貴
って叫んでやりたいけど、
前は3週間連続シチューだったから
まだ1週間のカレーでは何も言えない。

「モグモグ…。叶。最近身体どうだ?」

「モグモグ…。普通。」

「……。」

黙るんだったら聞かなきゃいいのに。
なんて、
思ってしまう。
心配してくれてるだけなのにね。
私ってヤなヤツ。