そこに立っていたのは、
全く知らない、
警察の服を着た、お兄さんだった。

「君のお名前は?」

「カナウ、叶だよ。パパとママは?」

「うん。お空に行っちゃった。」

その人は泣いていた。
その時の記憶は曖昧で、
でも、お父さんとお母さんが殺されている時の記憶は
しっかりと焼きついていた。