失恋ノート



花恋がそんなふうに「体育」と言ったのは、海くんと体育の授業だけかぶっているから。

3クラスずつ合同でやる体育の授業は、あたしが海くんと話せる唯一の授業。


体育がある日は毎日わくわくしてる。



「日和、着替えたー?」

「うん、おっけー」


更衣室から出て、クラス順に整列。


海くんは、あたしの斜め後ろだ。

ちょっとだけ、と思って後ろを向くと、海くんと目があった。


「あ」

話してる先生に見つからないように、ちいさく右手を振る。


そしたら、海くんもあたしに向かってニコッと笑った。