日和が海のことを諦めたくてそんなことを言ってるっていうのは、
みんな容易に想像がつくようだった。



「優衣、じゃあ、また明日な」



笑って右手を振った海に、
あたしはにっこり笑顔を返す。


「うんっ!」



可愛い女の子でいたかった。

可愛い恋する女の子で。



黒く黒く嫉妬でうずまいているこんな心、海にはぜったいに見せたくないよ。


嫌われちゃうよ。



出てきそうな涙をぐっとこらえた。



泣きたいのは、わたしだけじゃあないんだから。