「優衣、いこう」


思っていたより冷たい声が出た。

今まで、俺だってなんども「好き」と伝えて「ごめん」と言われてきたから。



痛いほど、分かるんだ。

ひよの気持ちが。




「あ、うん!じゃあまたねっ!」


優衣が花恋とひよに手を振った。

ひよは、俺のほうに肩をすくめて見せた。



「じゃーな」

俺も左手をあげる。



振られた相手にそんなことができるあいつは、すごいと思う。

俺はできないから。

振った相手にだって、どう接すればいいのか分かっていないのに。