微熱で溶ける恋心



「あと半分は?」


「30分後に交代で」


時計を見る。


30分後、うん、まだギリ営業時間内。


上出来じゃないか、逸平。


無理やり都合つけて半分の人員でやりくりしているんだ。


本人は今頃大変だろうけれど。





その後、日中逸平から連絡があったギャラ2、ムーンのヘルプの方も予定通り来た。


ほら、こうやって抜け目なく仕事するから嫌いになれない。





「ヘルプは宴会場全体を合わせても俺が最後です」


あっ、ご飯大盛りで、とにこやかに微笑んだ本物の爽やか青年に礼を述べる。


うん、ギリギリ19時半。


食事さえ締め切ってしまえば後は好き勝手に食べて貰えれば。


洗い物は明日の朝一だってできるし、私が残ってやったってすぐ終わる量。


こうして、1週間で一番忙しい土曜の営業も何とか終わらせることが出来た。