微熱で溶ける恋心



夜のメニューは牛すき丼かアジのムニエルだった。


(自分の食べるものくらい自分で決めろよ)


いつからか、逸平は


「川上が俺が食べそうなもの選んどいて」


と言うようになった。


ちなみにパートさん情報だと私がいないとちゃんと自分でこれ下さい、と言うそうで、


「オーナーのは食べるのに私たちが選んだ物は食べないのよ」


なんてプリプリ怒っていた。


今日はちゃんと2回食事に来るようだけれど、酷いと1度も顔を見せず、次の日、


「昨日忙しすぎて飯全然食えなかった」


と愚痴っているのだから、まぁそこそこ忙しい身なのだろう。






いつ食べられるか分からない環境にいるからなのか、よく食べる。


だから基本はがっつりメニューで肉、揚げ物、チョイスなのだけれど、今回揚げ物ないしなぁ。


そう言えば昼鮭だったから夜は肉でいいや、と自己解決をすると。





「ギャラ1の人半分来たって!」


パートさんが駆け寄ってくる。