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「コタロウ、ただいまー」
リビングのドアを開けていつものように言うけど、コタロウはお出迎えしに来なかった。
リビングを見渡してもコタロウの姿はなく、がらんとしている。
「あれ?」
「ん?コタロウ、来ないな」
後ろにいた先生がリビングに入ってドアを閉めながら、不思議そうに声を掛けてくる。
「あ、もしかしたら」
私は寝室に向かう。
ひょいと覗いてみると……
「やっぱり、ここにいた」
私の目に映るのは、コタロウがベッドの上ですやすやと寝ている姿。
お腹をどーんと見せて、足は無造作に投げ出された状態。
その姿が無防備すぎて、かわいすぎて、先生がいることも忘れて私はにやにやしながらコタロウの寝姿に見入ってしまっていた。
「坂本さん?コタロウ、大丈夫?」
「!あ、ごめんなさい。コタ、お昼寝しちゃってました……せっかく来てもらったのにすみません」
「ん?って、なにこれ……」
「へ?」
「すっげぇかわいい……」
「!」
先生の気の抜けたような声に振り向くと、ぽかんと口を開けて表情が緩みまくりのデレた先生がすぐ近くにいて、私は驚くのと同時に、つい吹き出してしまう。
「ふふっ」
「え、何?」
きょとんとした表情で先生が私に目を向けた。
この様子だと、今自分がどんな顔でコタロウのことを見ていたかなんて知らないんだろうなぁ。
すごく緩んだ表情をしているなんてこと。

