片付けを終えてリビングに戻ってみると、私の目に映ったのは虎谷先生とコタロウが真剣に遊ぶ姿だった。
「こっちだ!コタロウ!」
「……ぷっ」
やっぱりいつものクールさはそこにはなくて、また笑いがこみ上げてきてしまう。
私は完全に笑いのツボに入ってしまい、笑い転げるくらいの勢いでソファの上で笑い始めてしまった。
いいオトナ男子がネコと真剣にじゃれ合い、その傍らではオトナ女子が大爆笑。
誰がどう見ても滑稽な光景だということに気付いたのは、そんな楽しすぎる時間が30分ほど過ぎた頃だった。
……この光景を誰にも見られてなくて良かったと思う。
この年になって涙が出るほど爆笑してしまうなんて、恥ずかしすぎるから。
「こんなに笑ったの、久しぶりです。お腹痛い~」
「俺は何がおかしいのか、全然わからないんだけど。いつの間にかいなくなったと思ったら、いつの間にか戻ってきて爆笑してるから何事かと思った」
虎谷先生が私を見ながら首を傾げてそう言い、コタロウに目線を移す。
私も同じようにコタロウを見た。
思う存分遊んだらしい先生とコタロウ。
コタロウは疲れたのか、ふわふわボールをくわえて私のところまで持ってきたかと思えば、そのままそれを枕にして私に寄り添うようにして寝てしまった。
遊んでいる姿もすごくかわいいんだけど、寝ている姿もものすごくかわいい。
コタロウは時折ぴくぴく動いていて、それは、夢の中でもボールのおいかけっこをしているからかもしれない。
ふとコタロウから先生に目を向けると、コタロウを見る先生の瞳がすごく優しくて、私の心臓がとくんと音をたてる。

