キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~

 

公園から家までの帰り道、ほんの5分くらいなんだけど、虎谷先生のネコ愛をこれでもかというくらい聞かされた。

でも、すごく楽しくてもっともっと聞きたかったけど、あっという間のその時間は終わってしまった。


「ただいま~コタロウ!」


私がリビングのドアを開けてそう言うと、すでにリビングのドアの前で待ち構えていたコタロウが嬉しそうにみゃおみゃおと鳴きながら私の足元にすりすりと近寄ってきた。

これはいつものお出迎え方法だ。

だからこそ帰ってきてから欠かさずすることが決まっていて。

すぐにコタロウのことを抱きしめられるように、外から帰ってきたらリビングに入る前に手を洗うのがうちでのルールなのだ。

コタロウのためだし面倒なんて思ったことは一度もない。

その習慣を玄関に迎え入れた時に先生に伝えると、すんなりと頷いて受け入れてくれて、一緒に“習慣”をしてくれた。

そういうところはやっぱり動物を大切に思っている獣医さんなんだなぁと感じた。

コタロウが私の足元に擦り寄ってきた瞬間、「うわっ、これ、天国だな」と私の後ろにいた虎谷先生が呟いたのを、私は聞き逃さなかった。

何だか嬉しくなってしまった私は、ついコタロウ自慢を繰り広げてしまう。


「かわいいんですよー!うちのコタロウ!いつもこうやって迎えてくれるんです」

「うわー坂本さん、ずるい!」


私の言葉に対して、恨めしそうに先生が言う。

その時、コタロウが先生のことを認めてぴたっと動きを止め、先生に向かってにゃっと鳴いた。


「!」

「コタロウなりの“こんにちは”だと思いますよ?」

「~~!坂本さん!」

「へっ!?」


突然私の方に向いた先生の視線に、私は驚いて変な声を出してしまう。

先生の瞳は真剣そのものだ。