回答に困っていると先生が私の様子に気付いたのか、慌てたように言葉をかけてきた。
「げっ。待った、今の本気に取るなよ?冗談だから!絶対に何もしないって約束するから、言葉に甘えさせてくんない?コタロウとすっげぇ遊びたい!な!?なっ!?」
「もう、俺の脳内はコタロウと遊ぶことでいっぱいなんだよー!」と言いながら、手を合わせて拝むように必死に私に頼み込む先生の姿が真剣そのもので、本当にコタロウと遊びたいという気持ちが伝わってくるようだった。
……間違いなく、変なことを考えているようには見えなかった。
その様子に私はつい笑ってしまう。
「ふふっ」
「!だ、ダメか?」
「……うーん」
「お願い、このとーり!」
私の中ではすでにOKを出す準備はできていたんだけどわざと少し渋った態度を取ってみると、先生が必死な様子で頭を下げてきた。
……先生と話してると何かすごく楽しい。
私って隠れSなのかもしれない。
「……仕方ないですね」
「え?」
「いいですよ?コタロウと遊んであげて下さい」
「!やった!」
今までの必死さが嘘だったかのように、先生にぱっと嬉しそうな笑顔が浮かぶ。
その表情は子どものようでかわいい。
それにつられて私もくすっと笑った。
「じゃあ行きましょうか」と笑いながら言うと、先生が私の荷物をそれはもう自然に持ってくれる。
慌てて取り返そうとしたけど「俺のワガママで行かせてもらうんだし、これくらいさせてよ」といつの間にかオトナの男に戻った表情で言われてしまって、私は「じゃあ、お言葉に甘えて」と言うしかなかった。
……本当はその動作と表情にちょっぴり心臓が跳ねてしまったんだけど、それはここだけの話。

