「ふふっ。そういうことだったんですね」
「……あーもう、マジでカッコわりぃな、俺」
「そんなこと。あ、そうだ。じゃあ、コタロウに会いに来ませんか?」
「え?」
「そんなに立派なところに住んでるわけじゃないですけど、コタロウがいるから散らかってはないと思います。たぶん。先生が良ければ、コタロウと遊んでもらえませんか?」
「……」
この言葉には嘘はなくて。
璃世が手伝ってコタロウが快適に過ごせるように作ってくれた部屋は片付いている方だと思う。
ものを置いていたらコタロウにいたずらされちゃったり、コタロウが誤って飲み込んでしまったりしたらいけないという私の心配性もあったりもするから、普段から気をつけているんだ。
それと同時に、いつ来訪者があっても問題ないというメリットもあった。
……まぁ、普段はめったに人なんて来ないけど……。
「……いいの?簡単にそんなこと言って」
「へ?」
「俺、男だよ?それがどういうことか、わかってる?」
「っ!」
突然視界が暗くなったかと思えば、先生の顔がすぐ真横にあって、先生は私の耳元でそんなことを言ってきた。
しかも脳内に響くような低音の甘い声で。
私はもちろん驚いてしまって、心臓がどっきーんと音を立てた。
一気に身体が熱くなっていくのが自分でもわかる。
「せ、先生……っ!?」
「くくっ、なーんて。坂本さんっておもしろいな。耳、真っ赤だよ?もしかして、こういうのに慣れてない?」
「な……っ!」
「とか言ってると嫌われそうだから、このくらいにしとく。っていうか、マジでいいの?」
「えっと……」
先生の「俺、男だよ?」という言葉がぐるぐると頭の中を回っていて、簡単に頷くことができなかった。
そんなことを言われたら変に意識してしまいそうになるんですけど!

