「樹さんのところはどうなんですか?」
「俺は男だし、うるさく言われることもあるけど、適当にしろって感じだよ。兄貴と妹はどっちも結婚してて子どもも二人ずついるから、お年玉はせびられるわ、遊べってうるさいわで毎年正月に実家に集まった時は大騒ぎ」
「ふふっ、でも楽しいんですね」
「あ、わかる?やっぱり甥と姪だからな。かわいいよ」
笑顔で話す樹さんは動物の話をする時と同じように楽しそうだ。
とは言っても、家族と動物が同じ位置づけにいるわけではないと思うけど。
樹さんの家族の話はほとんど聞いたことがないから、樹さんから家族の話が出てきたことがすごく新鮮に感じた。
こうやって少しずつでもいいから、もっと樹さんのことを知っていけたらいいな。
「……家族が増えるのはすごいことなんだなーって甥と姪ができるたびに感じてたかな」
「家族が増える……璃世と局長もまさに今、そこに立ってるんですよね」
「うん。すごいことだよ」
本当にそう思う。
今頃、璃世は頑張っているのかもしれない。
「あ。寝ちゃったなー」
「あれ?いつの間に……遊び疲れちゃったんでしょうね。二匹寄り添って、かわいい」
「うん」
樹さんが指差す方を見ると、コタロウとマサコちゃんがコタロウのお気に入りのラグの上で寄り添って眠っていた。
マサコちゃんは身体を丸めているけど、コタロウは完全に無防備にお腹を出している。
いつもとは違って私以外に部屋には樹さんとマサコちゃんがいるにも関わらず、無防備な姿を見せているのはふたりにも気を許しているからだろう。

