「美夜子はどうなの?センセイとそうなりたいと思わないの?」
「!……そりゃあ、なくは、ない、けど……」
「けど?」
「私なんかがそんな風に思うのはおこがましいかなって……一方通行の可能性だって十分あるわけだし。それに、樹さんはたぶん、結婚には積極的じゃない」
「そうなの?“結婚なんてしない”って言われたってこと?」
「違うけど……前聞いたんだよね。獣医をしている以上、一番を作りたくないからネコは飼わないようにしてるって言ってたし、周りから結婚しろって言われても無視してるって。それって結婚の意志がないってことなんだよ。それにまだ付き合って2ヶ月くらいだし、そこまでは考えられないよ」
「ふぅん……そんなものかしらねぇ」
私は樹さんたちがいる方に目を向ける。
数十分は経ったというのに、まだ状況は変わっていないようだった。
今は休戦状態なのか、樹さんはコタロウと、伊野局長はマサコちゃんと遊びながら、二人で真剣な表情で何かを話している。
察するに、きっとネコ溺愛トークだろう。
「で?」
「で?って?」
「したの?」
「……えっ!?」
璃世が言ったのはたったの3文字だというのに私はその意味を察してしまって、顔が一気に熱くなってしまった。
そんな私に対して、私のことを頬杖をついてじっと見ていた璃世が目をまるくして、驚いたような表情を浮かべる。
「やだ~美夜子ってば、かわいいんだから!わかった、わかった。そっか。良かったわね。私も安心したわ」
「……やだ、もう……!」
“その答え”が顔にしっかり出てしまうなんて、恥ずかしすぎる……!

