「……じゃあ、ご飯の前に少し遊ぼっか?」


コタロウがくわえているねこじゃらしを手に取りながらそう問い掛けると、にゃおと目を細めてコタロウが鳴く。

笑いかけてくれているような鳴き方に私にも自然と笑みが零れた。

むくりと身体を起こして、両頬をパチパチと叩く。

そして、深呼吸をした。


「……よしっ」


ぐだぐだと泣いてばかりじゃ何も進まないんだ。

ちゃんと心の整理をして、覚悟を決めて前に進まなきゃいけない。

どうしてこんなことになっているのかなんて全く理解できないけど、やっぱり好きな人には幸せになってほしいから。

今はまだ前になんて進めないけど……私にはコタロウがいてくれる。

とにかく、まずは少し身体を動かして、頭をすっきりさせることから始めよう。