祈るような気持ちでコタロウの治療が終わるのを待ち始めて30分。
その間に真新しいカルテを渡され、名前や住所、コタロウの名前を記載するように言われ、震える手で必死に書いた。
たったの30分なのに2時間にも3時間にも感じてしまっていて。
カルテを書いている以外の時間は、床と自分の祈るように組んでいた手をじっと見つめることしかできないでいた。
はぁと息をついて頭を下げてしまった時、治療室のドアがカチャッと開いた。
そこはコタロウがいる部屋だ。
私はハッと顔を上げ、咄嗟に立ち上がる。
「えっと……坂本(さかもと)さん」
「は、はいっ」
「治療が終わりましたので中へどうぞ。コタロウくんが待ってますよ」
その高めの明るい西岡さんの声は、コタロウが無事に助かったことを示すものだったけど、私はやっぱりコタロウのことが心配でたまらなかった。
不安な気持ちが渦巻く。
コタロウは大丈夫なのだろうか。

