むぎゅ~って、もふもふ~ってしたかったのに……。
コタロウにまで見放されたら、私、生きていけないよ……。
そんな大袈裟なことを考えながら、昨日からのもやもやの原因が再び顔を出す。
樹さんと西岡さんとの会話、そして、患者さんたちの会話。
どちらも事実のようで私を不安にさせるには十分の内容だったけど、よく考えてみれば、二人がご飯に行ったという話は単なる仕事上の付き合いの可能性があるかもしれないってことに気付いたんだ。
二人は一緒に仕事をしている同僚だし、もしかしたら他の人も一緒だった可能性もあるんだから。
そう考えれば、普通のことだ。
ただ、西岡さんがどんな気持ちで、私が誤解するようなことをわざわざあの場で口に出したかは定かではないけど……。
……やっぱり西岡さんが樹さんのことが好きだから、ってことだよねぇ……。
そしてもう一つが問題だ。
“結婚式のドレス選びに付き合ってくれないと、結婚をやめる”。
こんな言葉を同僚に言うものなの?
どんなにいろんな可能性を考えてみても、私の頭では結婚を決めた二人がする会話としか思えなかった。
「じゃあ、やっぱり二人は……」
西岡さんの言っていた通り付き合っていて、結婚を決めてる……?
それなのに、樹さんは私のそばにいるの?
キスするの?好きって言うの?
……そんなの意味がわからなすぎる。
はぁぁぁ、と大きくため息をついて頭を抱えた時、家のチャイムが鳴った。
私ははっと顔を上げる。
もう夜の8時を回っているというのに、誰だろうか?
「はーい!」
私が立ち上がった時、コタロウがうろうろとラグマットの上を歩いて、ぽふんと伏せたのが見えた。
もう眠いのかもしれないなと思いながら、私はバタバタと玄関に向かった。

