「こんなこと言うの、ガキみたいだと思うんだけど」
「……?」
「んー……っと」
「せ、先生?」
言いよどむ先生に私は首を傾げる。
「だから……、あーうん。みーこさ、俺のこと、これからも“先生”って呼ぶつもり?」
「!」
「“先生”って呼ばれるの、イケナイコトしてるみたいで禁断な感じがするから悪くはないんだけど……」
「禁断……って、先生ってばそんなこと思ってたんですか?おもしろすぎますよ。ふふっ」
先生の口から“禁断”という言葉が出てきたことが何だか可笑しくて、笑ってしまう。
でも、先生の顔には笑顔は浮かばず、相変わらず真面目な表情のままだ。
そんな先生に対してふと不安になってしまう。
……何で笑ってくれないの?いつもならいち早く笑ってくれるのに……。
「……みーこの前では俺、“獣医”じゃなくて“男”でいたいんだよね。意味、わかるよね?」
「!」
「……どうする?」
先生のあたたかい手が私の頬をするりと滑る。
それは壊れ物を扱うようで……でも、たまに軽く摘むようにされて。
先生の手の動き、そしてその魅惑的すぎる表情と視線は私を翻弄する。

