今こそ先生の胸に顔を埋めて、先生から見られないようにしたいのに……!
すでに離れてしまった身体を自分から寄せることなんてできない。
仕方なく、私は自分の両手で両頬を挟んだ。
先生は愉しげな表情で私の顔を覗きこんでくる。
「みーこは?」
「……へ?」
「本能のままに動こうとは思わない?」
「……や、あの」
「俺としてはみーこにも余計なことは考えずに、思うままに動いて欲しいんだけど。人間っていろいろ考えるけど、動物って本能のままに動くものだし、それにならってさ。コタだって、ほら」
「……あ」
先生の指差す方向を見ると、そこにはコタロウお気に入りのラグマットの上でころりんぼぉるを抱くようにしてすぴすぴと寝ているコタロウの姿があった。
いつの間に寝てしまっていたんだろうか?
「いちゃいちゃしてる俺たちを見て、呆れて寝ちゃったのかな~」
「!……やだ、もう!先生、変なこと言わないでくださいっ」
それが事実のような気がして、コタロウ相手だというのに恥ずかしくなる。
「……なぁ、みーこ」
「え?」
今の今まで笑っていた先生の顔がふと真面目なものに変わった。
急にどうしたんだろう、と首を傾げると、その視線が私を貫くように真っ直ぐと向いてきた。

