んー、と言いながらコタロウのことを見たり、リビングの端っこに置いてあるコタロウのトイレを見たりしていた先生が口を開く。
「これ、遊べって言ってるだけじゃねぇかな。特に変わった様子もなさそうだし、何といっても元気いっぱいだし」
「確かに……具合が悪そうには見えませんね。あ!もしかしたら先生がうちに来てくれたから喜んでるのかな。ね、コタ」
「ん?そうなのか?コタロウ?」
私の言葉に嬉しそうな表情を浮かべた先生がコタロウに顔を近付けると、コタロウがふんふんと先生の鼻に鼻を近付けてにおい始める。
それに対して先生も嬉しそうに笑顔を浮かべてコタロウに鼻を寄せる。
その光景が2ヶ月しか経ってないというのに懐かしくて、かわいくて、じっと見つめてしまう。
ふと先生の口元に目線がいってしまう。
その唇は少し薄目で、端っこが上がったそれは綺麗に弧を描く。
コタロウに話し掛けると、開いた唇の奥には歯並びの整った歯がちらりと見えて……。
すごくセクシーに感じてしまって、何か……ドキドキする。
さっき、この唇が私に触れていたんだ……って、私何かおかしい見方してる!
はっと我に返って、ぶんぶんと頭を振っていると。
「……何してんの?坂本さん」
「へっ!?や、何でも!あははっ」
「?コタロウ、この2ヶ月で何かあったのか?」
先生が怪訝な表情を浮かべてコタロウに問い掛ける。
もちろんコタロウは答えるわけもなく、きょとんとした表情だ。
「なっ、何でもありませんから!お気になさらず!」
「ふぅん?……まぁ、いいか」
ぶんぶんと手を左右に振りながらえへら笑いを浮かべる私を見ながら、先生が手に抱えていたコタロウをひょいと肩の上に乗せた。
先生の肩にちょこんと前足を置いてしっぽをゆらゆらと揺らすコタロウはすごく楽しげでご機嫌で、その姿に私は自然と顔が緩んでしまう。
やっぱりコタロウも先生に会えて嬉しいんだろうな。

