私はぱっとドアの方に顔を向け、熱くなる頬に慌てて手を当ててすぐ横に立っている先生を横目で睨んだ。
するとさらに先生の拗ね顔に拍車がかかり、先生はむぅと唇を尖らせてしまった。
「!?」
「ほら。さっきから俺にはそんな顔ばっかしか見せてくれねぇよな。拗ねたり怒ったりする顔も嫌いじゃないけど、俺にも笑いかけて欲しいんだけど」
「はいっ?」
「今笑ってたのだって、コタロウのこと考えてたからだろ?」
「……えっと」
確かにコタロウの姿を思い浮かべて顔は緩んでしまったけど……それは先生が拗ねるようなことなの?
何かに拗ねているらしい先生の心の中が全く読めなくて、私は先生を睨んでいた表情を緩めて、首を傾げてしまった。
「あーもう、コタロウのやつ。ライバルとしては手強すぎるな」
「……せ、先生?さっきから、一体何を……」
「俺とコタロウとどっちが大切なんだ?」
「はいっ!?」
「って聞くのは大人げないってわかってるし、聞かねぇけどさ。やっぱり妬けるよな」
ブツブツと何かを言っている虎谷先生の様子に、私の頭の中にあることが思い浮かぶ。
妬けるって言ってるみたいだし、それってつまり……
「……コタロウにヤキモチ、ですか?」
「!」
頭に浮かんだことを直球で言ってしまった瞬間、虎谷先生の身体がぴくっと動いた。
その反応に私ははっと我に返る。

