それに気付く様子のない先生は私の手を引いていく。
手からドキドキが伝わってしまわないか不安だったけど、何も言わない先生に私は安心してその後ろをついていき、その背中を見つめた。
今まであまり気にしたことはなかったけど、先生って結構背が高いんだと気付く。
この感じだと180センチ近くはあるんじゃないだろうか。
それに……意外と背中が広いんだ……。
つい背中を見つめてしまっていると、先生の顔が私の方に向き、びくっと身体を震わせてしまった。
「っ!」
「え、どうしたの」
「いや、なんでも!」
「ふぅん?そうそう、あの時、絶対振り向かせる!って決心したんだ。これとないチャンスだ!って。それも知らねぇだろ?」
「!」
「ズルいってわかってたけど、無防備すぎる坂本さんの話に乗って、コタロウに近付くふりして坂本さんに近付こうって思って。俺、ノリノリでアピってたんだけど、まさか気付いてなかったなんて坂本さんって相当鈍感だよな」
「う……っ」
「っていうか、俺以外の男にも同じことしてねぇよな?」
「そっ、そんなこと、するわけないじゃないですか!変な勘ぐりしないでください!」
「ほんとに?」
「本当ですっ!」
私は必死に否定する。
先生のことが気になっていたからこその行動だというのに、変な風に捉えられるなんて絶対に嫌だ。
信じて欲しくて先生のことを睨むように見ていると、真面目な表情をしていた先生にふと笑顔が浮かんだ。

