「いつかは近付けたらいいなって思ってたけど、きっかけもないのに簡単にできるわけもなくてさ。人生そんなもんだよなーと思ってたら、病院にコタロウ連れてひょっこり現れただろ?まさかネコを飼ってるなんて想像もしてなかったし、病院に現れるとも思わなかったから、あの日はもうめちゃくちゃ嬉しくて。でも突然のことにかなり焦ったけど」
「……焦ってるようには見えませんでしたけど」
「一人でバカみたいに焦ったってカッコ悪いから必死に抑えてたんだよ。テンパってるのを隠すのに必死だった」
「……」
先生の暴露話にぽかんと口を開けてしまう。
まさか、私のことを知っていて……しかも気にしていてくれてたなんて……。
知らない間に先生の心の中に私がいたなんて……嬉しすぎて、泣きそうだ。
「……コタが引き寄せてくれたんですよね」
「うん。コタロウはキューピッドだよな。大事に至らなかったから良かったけど、怪我をしてまで、さ」
「あの時は本当に心配しましたけどね」
「うん。ほんと。あ、あの時の坂本さん、今にも泣きそうな顔してただろ?その表情にもやられた」
「なっ、何ですか、それ……!必死だったんです!」
「うん。そこが俺のツボに入って良かったんだって。そういう坂本さんかわいくて、俺好きだし」
「っ!」
す、好きって……!かわいいって……!
虎谷先生が真剣な顔をしてそんなことを言うから、私は何も言えなかった。
……今日は虎谷先生から出てくる言葉がすごく甘く聞こえるのは気のせいだろうか?
先生が何かを言うたびに私の心臓の鼓動が速くなっていくのを感じる。

