「!!」
久しぶりに見るその姿に、私はびくっと身体を揺らしてしまう。
「ほらっ。あれ、虎谷先生よね!?噂をすれば、よ?先生ってば、病院以外ではあんな感じなのね~ふふっ。先生~!」
堺さんが手を振って呼ぶのは、2ヶ月ぶりに見る虎谷先生だった。
堺さんの声に気付いた先生がこっちを向いた。
堺さんのことを認め軽く会釈した後、私に目線が向いて……驚いたように目を見開いて立ち上がった。
それはほんの一瞬の出来事だったはずなのに、何十秒にも思えるほど、スローに見えた。
先生は私のことを貫くような視線で見つめながら、公園の出口に向かってその場を歩き出す。
それに対して私は反射的に一歩、二歩、と公園の入り口とは反対の方向に足を動かしていた。
そして。
「……ご、ごめんなさい。私、用事があるので帰りますねっ!」
「えっ?急にどうしたの?ちょっと!?」
堺さんが何が起こったかわからないというような表情をして、私と公園の出口から出てきた虎谷先生のことを交互に見る。
マメちゃんは虎谷先生の方を向いて嬉しそうに尻尾を勢いよく振っていた。
そんな中、私は踵を返して先生から逃げるように走り始めた。
……何で会いたくないと思っている時に虎谷先生に会っちゃうの!?
っていうか、軽々しく公園の中を覗き込んでしまった自分が悪いんだ。
会いたくないならそんな行動をするべきじゃなかった……って、な、何で追いかけてくるの~っ!?

