キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~

 

あの時、璃世に声を掛けてもらえなかったらコタロウとこうやって一緒に生活することもなかったんだなぁと思うと、すごく不思議な気分になった。

コタロウがいなかったらどんな生活をしていたんだろう、とふと考えてしまうことがあるけど、今の私にはその想像はできなかった。

コタロウがいる生活が当たり前になっているからだ。


「さて、と」


そろそろ1時間経つしコタロウも遊び疲れているんじゃないかとベランダの方を気にした時、ちょうどベランダの方からにゃあとコタロウの鳴き声が聞こえてきた。

一緒に遊んで欲しくなったのかな、とベランダの窓の方を見るけど、コタロウの姿は見えない。

まだベランダの端っこにでもいるのだろうか?


「?コタロウ?そろそろご飯にする?」


私は四つんばいになって床を這ってベランダに向かう。

ベランダを覗くと、そこには部屋の方を向いて前足を折りたたむようにして座った香箱座りをして網々の影をまとっているコタロウの姿があった。

その傍らにはさっきまで遊んでいたらしいねずみのおもちゃがころんと転がっている。


「コタ、おいで?ご飯食べよ?」


私が部屋の中からコタロウに向かって手を差し出しても、コタロウは私をじっと見上げたまま全く動こうとしない。

遊んでいるわけでもなくただ座っているだけだったけど、何となくコタロウの様子がおかしい気がして、私はつっかけを履いてネットをくぐるようにしてベランダに出て、端っこに座っているコタロウに近付いた。