「ほら、コタロウも美夜子からご飯もらいなさい?美夜子、そこに置いてあげて」
「あ、うん」
私はペロペロとご飯を食べている3匹のネコを横目に、離乳食の入ったお皿と少し水の入ったお皿をコタロウの目の前にそっと置く。
そして名前を呼んだ。
「コタロウ。ご飯だよ?」
コタロウは窺うように私に大きなまるい目を向けた後、すぐに離乳食に目を移し、ゆっくりと離乳食に近寄ってくる。
くん、と匂いを嗅いで、そのままペロと食べ始めた。
「!食べた……!」
「あら。結構すんなりいったわね。ご飯をあげられるなら、もう触っても大丈夫なんじゃない?」
「……かわいい」
一生懸命ペロペロと舐めるコタロウの姿に私は虜になる。
璃世がご飯をあげているところを見たことはあったけど、自分が差し出したご飯を食べてくれているという事実が嬉しくて。
私はコタロウがご飯を食べている間も、その姿をずっと見ていた。
コタロウは他の子猫に比べて食べるのもスローペースで、他のネコがご飯を食べ終わった後も暫く食べ続けていた。
ご飯を食べ終わってコタロウが満足そうに口周りをぺろりと舐めた後、ふと私に目を移した。
「おいしかった?」
そう言った時、コタロウがにゃあと鳴いた。
「!」
コタロウが私に向かって鳴いた?
しかも怯えた感じじゃなくて、私を呼びかけるように……?
いつもとは違う鳴き声に嬉しくなってしまって、私は感動のあまりその場から動くことができない。

