本を閉じて机の上に置くと、私はそんな相沢さんににこりと笑った。






「ありがとう、心配してくれて。まだ深瀬さんから許可が下りてないから、付き合えないよ」


「付き合えないよって……あんたそれで平気なわけ？ 藤崎は何て言ってんの？」


「藤崎君とはたまにLINEで連絡取るぐらいなんだけど、何も」


「何も……？ あんた達本当に大丈夫？ 花火だって結局誘わなかったでしょ？ 私はマコちゃん誘って行ったよ！」






嬉しそうに目をキラキラと輝かせて。




だんだんと相沢さん、玉川君の事を吹っ切れてきたのかな……？




(清武君と上手くいくと良いな)





「涼花もだけど。青ちゃんの事も心配だよ……」


「えっ？ 玉川君、どうかしたの？」


「なんか、達の悪い後輩から告られたらしいんだよ。断ってもしつこいって」


「そうなんだ……」





相沢さんがため息を吐くと、私は話すのをやめた。