私の彼氏はおデブさん

振り返って後ろに立っていた藤崎君を見ると、私は驚いて叫ぶ。





(もしかして、今の会話聞かれたかな?聞かれてるとしたら……は、恥ずかし過ぎて死ぬ……)







「……降りてきたの?」


「うん」


「あ、今日は急に来てごめんね…泊まらないで帰るから……」


「うん」





私の目を見ないまま、藤崎君はうんとしか言わない。




映画の時の事も、やっぱりまだ怒ってるんだ……。




この状況でキスなんて絶対無理。







とりあえずは、早く謝ろう。






「こないだはごめんね」


「……何が?」


「映画観に行った時の事怒ってるよね?私が手を繋がなかったから……」


「……は?自惚れるな。誰が橘と手繋げなかったぐらいで怒るか!」





怒鳴られてビクッと両肩を揺らす。



そして上目遣いで恐る恐る藤崎君の顔を見ると、「ごめん」と小さな声で謝った。