私の彼氏はおデブさん

相沢さんは映画が始まった時点で遠慮なく買った物を食べ始め、私と清武君は一緒に食べる為にポップコーンをドリンクホルダーに置いた。





けど……それより緊張して食べる気がおこらない。






映画が終盤に差し掛かり怖い内容になってくるまで、ずっと私は緊張したままだった。






(どうしよう……そろそろかな……?)






映画を観ながらそう思うと、チラッと清武君の方を見る。



すると、清武君も真剣な顔でゆっくり頷いた。



後は、手を握るタイミングを待つのと、勇気を出すだけ……。





私はぎゅっと目を閉じて深く深呼吸をする。




そして、右手を握られ清武君から小声で「がんばって」と合図されたかと思うと、目を閉じたまま……






「ふ、藤崎く、ん、怖……」


「ふぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」







手を握ろうとした私より先に、相沢さんが叫び声を上げた。