相沢さんはセーラー服をぐっと引っ張ると、私の顔に顔を近づけて呟く。




まるで脅すように。







「お願い涼花ぁ。青ちゃんと付き合って?」






見開かれた目が威圧的で怖い。




怖過ぎて目を合わせていられない。








「あ、相沢さん……ごめん、それはちょっと……ムリかも」


「何で?」


「実は私……まだ藤崎君が好きなの」







怯えながら体を震えさせつつ、目をギュッと閉じて言った。




もうこれからは相沢さんに隠し事をしたくない。




そう思えるぐらい、私にとって相沢さんはもう大事な友達だと思うようになった……。




相沢さんも、私と同じ事を思ってくれるかな……?








「マジか……そうだったの、涼花……なんか私、そんな事も知らずにごめんね?」


「大丈夫だよ。この事は藤崎君には黙ってて……」








くれる?と続けて言いたかったのに。





急に優しくなって私のセーラー服から手をはなしたかと思ったら……







「藤崎ぃぃぃ!!貴様を打ぅぅぅーつ!!」







凄まじい早さで相沢さんは教室から出ていった。




その光景はまるで……戦国武将がこの世に生き返ったのかと思った。