そして楽しそうにお喋りする周りの声を聞きながら靴を履いて玄関から出ると、夕日が眩しくて目を細めた。






(明日は良い事ありますように……)






夕日にお願いしたって叶わないだろうけど、これ以上何か起こらなければそれで良い。




それで良かった……のに。







校門に向かってゆっくり歩く私の横を通り過ぎていった藤崎君に気づいて、私はガン見する。







藤崎君は女子生徒と並んで帰っていた。





相手の子が誰なのか名前さえ知らない。




どういう関係なのかも。





でもお互い楽しそうに笑ってる光景を見て、特別な関係なのかもと思った。