「人気ないのかなー、合唱部。」

イメージは、確かに大事だと思う。
だけど、まだ入部して一ヶ月もたってない一年生に何が分かるというのか…。

今の人達は飽きっぽい?



なんか、ショック。

ため息をつきながら教室に入る。

「あー!星どこ行ってたのさぁ〜」

「ちょっとね」

「ふーん、まぁいいや☆今ね〜美姫たちと恋バナしてたんだっ」

「まじで〜?」

「っつーか、マジ美姫って一途だよね!」

「そんなことないよぉ」

「高校追っかける奴のどこが一途じゃないのよ!?」

「まぁまぁ、優実。
落ち着きなって!」

「「あははははっ」」


楽しい。
楽しいけど、
なんだか…。


「星はいいよねぇ、カッコイイ彼氏がいるんだから!!うらやましいし〜」

少しだけ顔がひきつった。笑顔が硬直する。

「…あは、まぁね♪」

心が不安定な自分。
だけど、口からはこんな言葉がでるんだ。

「いいでしょ☆」

―そんなことこれっぽっちも思ってない。


あたしは、
純粋な付き合いをしてる優実や
一途な片思いをしてる美姫がうらやましい。


だって
あたしは友達に紹介された彼氏と付き合ってるんだから―…


好きでもなんでもない。
言われたから、付き合うだけ。


結局は
あたしもイメージを気にしてるんだ。
他人にどう思われたいかなんだ。




さっきの一年生と自分が重なった…。