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彼との出来事は、
まだ終わらなかった。


それから更に二年後。
私達は、また交わった。




再び体を重ねて思ったんだ。



もう友達には戻れないと、
お互いに確信した時間だった。


友達として、二人で飲みに出掛けたのも、
もう友達だと思っていたから、
なんの躊躇いもなくOKをした。

今から思えば、「友達だ」と無理に納得しようとしてただけなのかもしれない。

一度絡まった糸は、
もう二度とほどけることはないのだと
その時気付いた。



二度と元には戻らないのだと。



…。



だから、私達は本当にそれっきりにした。


たぶん彼もどこかで同じ思いだったんだ。



「友達に戻りたい」



「だけど、会えば戻れなくなる」



これを繰り返して三度。


ようやくお互いに真実が見えた。




絡んで解れた糸を、無理に戻そうとしていたから、
私達は何度も同じ事を繰り返す事になってしまったけど、
そこまでしてようやく理解できて、
もう決して交わることのない道を
お互いに歩み出せたんだと思う。