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時はそれから三年過ぎ、
成人式の季節。

二人はまた出会った。



高校の頃よりも、
少し大人になって、
自分を綺麗に魅せる術を覚えた私。
オシャレやメイクに磨きをかけた専門時代。
自分でいうのもなんだけど、
不思議とモテるようになった。

でも、専門時代の二年間、
私には彼氏がいた。


彼氏とは倦怠期を迎えていたときだった。倦怠期といっても、私が一方的にだけど。
だから、成人式はヤバいと思った。

ぽっかり空いた心の隙間に
誰かの優しい心が染みてきそうで
少し怖かった。



久しぶりに見た彼の顔。
相変わらず、そこそこなイケメン。

回りの同級生たちも、
みんなオシャレになってたり、
太ったり痩せたり、その変化を見るのも楽しかった。

成人式の二次会で、少し酔った私は、
たまたま彼が側にきたタイミングで、
思い切って話しかけた。

それも至って自然に。

友達だった頃のあのままの口調で。
気負わず、気構えず。

そしたら、彼も戸惑うことなく
私に応えてくれた。

その二次会の間中、私達は今までの分を取り戻すかのように、二人の世界で話し続けた。

周囲は「あの二人より戻したの?」と
噂立っていた。

それもそのはず。

私達は、会場の隅で、二人っきりで話していた。
きっと「誰も邪魔するなよオーラ」が出ていたんだと思う(笑)

あとから、友達に聞いた話によると、
成人式で私の事を可愛いと言ってくれてた人がいたとか。
二次会で、話したかったらしいけど、
とても話しかける雰囲気ではなかったと。

そのくらい出来上がってた二人の雰囲気。

私からしてみれば、ただ話していただけなんだけどね。


消していた携帯アドレスを、
もう一度入れることになるなんてね。