「蒼がいないと…何もできないって思われるの、すごく怖かった、グスッ、
蒼に頼らないで、自分でなんとかしようと思ってた……」
気づくと…
頬には涙が伝っていて。
「……蒼が、蒼がいないと………
生きていけない自分…が、嫌ッ」
そう言う私を蒼が引き寄せる。
そっと、知ってる温もりで、抱きしめる。
「……蒼…が………い…なくても…………生きていけるような、ヒッグ、
……親にならないと…ダメなのにッ」
「季蛍?それは違うよ。
…季蛍は俺がいないと生きていけない自分が嫌っていうけど。
俺がいないのに、平気で生きていける季蛍が俺は嫌。
俺をね、必要としてくれる、いつも通りの季蛍が…大好きだから。」
「でもッ。私は蒼の何の支えにもなってないのにッ…蒼は私の支えばかりになってる…。
1人で生きていけない私ッて、親、失格だよね……………ヒッグ、」
「……俺さー。多分、愛優妊娠してるときにも、言ったと思うんだよね。
『季蛍だけじゃない。俺がいる』って…。
だから、季蛍1人で頑張っていく家庭なんて、ないんじゃない?
俺は季蛍を必要としてるし、季蛍は俺の支えになってる。十分すぎるくらいにね。」