いつも通りに、中庭で顔をうずめていると、芙羽くんが心配して隣に座る。
「季蛍さん…。明日蒼が帰る日だよね?…………今日もお昼、行かないの?」
「……はい」
芙羽くんが『だめだよ、食べに行かなきゃ』
とでも言うと思っていたのに、芙羽くんの口からでた言葉は違う。
「これまでの一週間…辛かったんじゃない?我慢してて。」
「……えっ」
「食欲がなくて、辛いこと。多分高島も気づいてると思うんだよね。
…だけど、季蛍さんが言うのを待ってる。
高島にじゃなくて…。蒼に」
「蒼に?」
「うん、そう。蒼に。
自分から、辛かった…ってこと、言えるの待ってるんじゃないかな。
前も言ってたじゃない。
『主治医としてだから言うけど、いつもと違う』
って。
主治医としてだから、季蛍さんを見守ってるの。だから、蒼が帰ってきたら、自分で言った方が良いと思う。
頑張って?何かあったら俺も行くから」


