芙羽に連れられ院内に。
「そこの部屋入って?で、ベッド横になって」
指を指す部屋に入り、ベッドに横になる。
無意識に震える私に芙羽は、
「大丈夫だよ、今の時間ならこの部屋に、お医者さんこないから。」
と微笑む。
その笑顔は、恐怖感を持つ私を、安心させた。
「ここ押さえて。
……今から外科の先生呼んでくる。待ってられる?」
「………芙羽じゃなくて?」
「俺がやってもいいけど、凜のためならちゃんと外科の先生にやってもらった方が、凜のため。
……俺は専門外だからさ。キレイに縫えない。」
「………でも…」
「大丈夫。…ちゃんと優しい先生呼んでくる」
「……」
「凜、看護士は平気?」
「………」
ゆっくり頷けば、
「じゃあ看護士にここ、押さえてもらおうか。そっちの方が安心…だよね。
誰かいるー?」
バッサァー
「あ、はい」
「あ、なんか大丈夫?すごい音したけど。」
「慌てて来たらファイルひっくり返しちゃって、すいません」
「あ、ごめんね。……ちょっとここ、押さえてもらってもいい?止血しといて」
「はい。わかりました」