助手席に座って、傷口を自分で押さえながら、芙羽が病院へと車をとばす。 「凜、ちょっといい」 傷口を押さえている私の手首を、掴む芙羽。 「………………」 「何してるの……?」 「脈測ってる。…………凜、大丈夫?」 「…うん、大丈夫。ちょっと痛いけど」 「意識あるよね?」 「………あるよ」 「あと五分でつくから。もうちょっと頑張ってよ」 「大丈夫だよ、急がなくても」 「脈が弱い。……ちょっと急がないと」 「……」