愛優の体調がよくなって、安心していた頃。
港が、ため息混じりに職場に来た。
「陽が打撲してた」
ふぅーっと息を吐いていすに座る港。
「打撲?」
「階段から踏み外して。しかも仕事場で。
この前、陽が帰ってないって蒼に連絡した日あっただろ?
あの日、陽が仕事場で怪我してて。それで帰って来れなかったらしい。
胸の下辺りだってさ」
「あぁー、あの日。」
「別に、打撲ならそこまで心配する事ないんだけどさ。
痛いみたいっていうか…。
そもそも見せてくんないんだよね。
腫れてる具合とか、見せてもらいたいのに断固として見せようとしないの。
あー。ほんとに…陽は。」