「……痛い」





「切ったの?」





周りをくるくる見渡して、状況を把握している芙羽。






「待って、凜。動かないでよ」






芙羽がガーゼで傷を押さえる。







「……結構深くいったな」







「病院……?」







「うーん。止血して止まらなかったら病院行こうか。」






傷を手で押さえながら、椅子の上に腕をのせる芙羽。






「心臓より、高い所に置いといて。……すぐ止まると思うけど。」








……動脈いったかな、とかブツブツ言いながら傷口を押さえる芙羽。








「……痛い、芙羽」







「ちょっと我慢して。止まるまで…」