季蛍の隣で黙々とおにぎりを食べていると、ジーーーーっと視線を感じて、ふと横を見れば…。
季蛍が、ガン見。
「……な、何?」
「………」
「…食べる?」
コクンと頷く季蛍。
「あーん」
パクリとおにぎりを食べて、微笑む季蛍。
なんだ、食欲あんじゃん。
「………あ。」
具だけ食いやがったな…さては。
「季蛍、これ全部食べな」
「やだ」
「あーん。」
また食べる季蛍。
そうしているうちに、結局全部食べた。
「食欲あんじゃん。一緒になんか買いに行こう」
「行く」
車を降りて、店へ向かう途中、季蛍から手を握ってきたから、強く握り返せば、
顔を真っっ赤にして、俯く。
………季蛍、照れてる。