「蒼、あがり?」 「あがりー。帰るか」 「うんッ」 夜だとはいえ、夏だからむしむしして、暑い。 昼も太陽は隠れることなく照りつけていて、夜になっても気温は下がらないままだ。 今日はいつもより早く仕事が終わって、現在時刻 ─────7時半。 車に乗り、季蛍と家へ向かう。 夏来は実家。 愛優はもう帰宅してる頃だろう。