「蒼くん、私ね、本当に今まで恋、してないよ。つき合ったこともないよ。」
「……そうなんだ」
「蒼くんのこと、忘れてなかったよ」
「……で?今日はそれを言いに来たの?」
「違うよ。それだけで来るわけないでしょ?
……風邪、引いたから。」
「俺じゃないとダメって、和奏ちゃんが言ったの?」
「そうだよ。せっかく蒼くんがいる病院に来たんだもん。」
「……そう。まぁいいんだけど。
熱は?」
なるべく、そのことには触れないように。
早くこの診察が終わればいい。
そう思った…。
「じゃあ、薬だすから。お大事に」
「蒼くん…せっかく来たのにそれはなくない?
少しぐらい話してくれたって……」
「今、仕事中だから。」
「…………」


