病院について、季蛍の詳しいことを高島に聞いた。
俺はその後、季蛍のカルテがどこにあるのか探し回り、見つけて処方された薬を読んだ。
薬はほとんどなくなっていなかったから、飲んでいないんだろう。
そんなに具合悪かったのか。
ため息1つつくと、自分の診察室に戻ろうと中庭を通ったとき。
石段に座る人影。
膝に顔をうずめてここから見てもわかるほど荒い呼吸をしている。
……季蛍?
………っていうか。なんでいるんだ?
なんで…?
さっきまで家に…
「…………季蛍」
近くに寄ると、今も青白い顔がより青白くなる。
「…なんで来たんだよ」
「…ご………」
「……え?」
「…ごめんな、さい、蒼…」
「………」
「……ほんとに…
ごめん…………………ヒッグ」
「…………………季蛍」
「……ごめんな、さい、」
「……俺は頼ってほしかったよ?」
「…………ごめん、私────」
「わかった、わかったから。
………もう泣くな」
「…蒼ッ、好きだよ」
中庭で言うか、それ。