車の中でも、具合が悪そうに窓の外を眺める陽さん。
「……どうしたんだろ」
「ただの風邪ってかんじじゃなさそうだけど」
「……まぁ港くんいれば安心だよ」
「だよな」
小声で話して後ろを振り向けば、怠そうに目を瞑る陽さん。
「陽さん?大丈夫?」
「……。」
「……意識飛んでるかも」
「えッ?」
港くんの家の前につくと、港くんが外で待っていた。
「ありがとう、いろいろ。……季蛍さんも、蒼も。
なんか…いろいろ迷惑かけたみたいで」
「いーや。この間は季蛍お世話になってしね」
「……」
そう言うと港くんは微笑んで、陽さんを抱えて家へと行く。
「まぁー…。とりあえず、良かった」
「うん、じゃ仕事行きますか」
「行くよー。」